雑誌と90年代の雑談2
雑談者
木内アキ
フリーランスのライター。ファッション、ライフスタイル、旅など幅広いジャンルで活躍中。デニムメーカーで働いていた過去もあり、デニムに精通。少数民族の手仕事を使ったもの作り「nomadicraft」も運営。
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ポルカ社・西村
フリーランスの編集者&ライター。雑誌、MOOK、書籍、WEBで活動中。
編集部時代に木内さんにはお世話になりまくり。日常に溢れたカルチャーを通して時代の変遷をなぞるのが趣味なので、そういう話題の雑談を記録しています。
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奥川純一
フォトグラファー。90年代からファッション誌などでも活躍。ストリート系でもギャル系でもジャンル関係なく撮りまくっていた時期とあって、当時の雑誌を多数所有。
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私は日本の最果ての田舎の中高生だったで、雑誌見て妄想したり都会の空気にちょっと触れるのが幸せだったけど、載ってる服や物がどうしても欲しい場合は問い合わせの電話して通販してくれるお店で買うこともありましたよー。
都会に住んでたらお店に買いに行けていいな~って思いながら。
最近は店で実物を見て通販で買う、なんて店側からしたらさみしい話も聞くけどね~。
まさかそんな時代が来るなんて思いもしなかった!
通販ってお洒落じゃなかったですからね。Voiを見て通販でもお洒落じゃん!ってなりました。
それでも買うとしたらトップスとかワンピがメインだったかも。パンツはハードルが高かったような。
パンツを買う時は靴と同じで、試着しないで買うなんてありえなかったものだったのに、ネット通販が広まるにつれ、ざっくりしたサイズ感で買うようになったんですよ。
その結果、身体に合っているか合っていないか店員に教わりながら学んでいったのが、自分自身でやるから合ってるない服を着てる人が増えて。プロから素人への移行、というネット社会特有の変革。
客観的にサイズが合ってるかどうか、判断大切ですよね~。スキニーデニムとかは特に!
そうなんです、それもサイズを揃えるジーンズ屋的な商売が崩壊した原因のひとつ。
厳密なサイズの意味がわかんない人が増えて、必要なくなっていった。サイズを合わせたい人はユニクロになっちゃったんですよね。
ユニクロは高校生くらいの時にユニクロのフリースが流行った時に、カラバリがあってあったかくて安くてイマドキっぽい、という感覚で浸透した記憶があって。
そのあと股上の浅いスキニーパンツの流行でユニクロが定着した印象です。
たしか安物デニムの登場と、通販でデニムまで買うようになったことはリンクしてるんですよ。
その一方で、2000年頃のmini創刊時のブームの時に、アースミュージックやピカデリーのデニムが欲しすぎて、サイズが合わなくても通販で買ってはく、という現象がおきていた記憶。
サイズ合わなかったらみんなどうしてたんだろ、頑張って痩せてたんですか?
失敗できるくらい安いから通販で買うルートと、欲しすぎてサイズ感に目をつぶるルート。
昔は、履いてるうちに伸びるので、ワンサイズ下がいいですよ~とか接客で伝えてたけど、いまは口コミを見て判断しますもんね…通販初期は、だからサイズ表記がすごく重要だった記憶!
情報溢れまくり社会…😅
ピカデリーはサイズ合ってないのを履いてる人、街にゴロゴロいましたよ。あとシマロンも。
私は、雑誌でしか見れてなかったから、そんな感じでサイズ合ってないパンツをみんな穿いてたなんて…!
ていうか、当時はきれいにフィットしたものじゃないと穿いてはならぬ禁断のアイテム、くらいに思ってたから、サイズ合ってないパンツでも穿いても良かったなんて…っていう衝撃が大きいです。笑
通販が地方をおしゃれに、都会をダサくした!
格差を少しなくしてくれた通販…。
同時に均一化を産みましたよね。
イオンが田舎暮らしを豊かにし、土地の個性を無くした重罪をなんだか思い出します。
イオンというかショッピングモールとチェーン店。
あと駅ビルね~!
どの地方都市に行っても駅ビルが内容変わらん!
駅ビル憎んでます。笑
余談ですがこの頃に、ブラジャーサイズが適当になる、という現象も起こっています。
ピーチジョンができて、セルフ試着&通販が広まったとき、ワコールとか百貨店の下着売り場が衰退して…。
この動きがのちに、『ていねいにくらす』志向を生むんだから反動は皮肉…。
あーなるほどなあ~。
超偏見ですけど、ていねいに暮らしてる人たちはブラのサイズを測ってる人が少なそうなイメージですけどね…ウンナナとかのスポブラつけてそう。
偏見だ!笑 そういう部分もたぶんちゃんとしてますよ!
ていねいにくらす系の中に肉食女子(死語?)が意外と多いんだから。
肉食…笑
麻の服着てるていねい女子同士の男の取り合い話とか、揉め事結構聞くんですよね。笑
ていねい系に移行した私の昔の知人たちは昔クラブでイケイケだった子多いからなんとなくわかります。
年を重ねた時のモテ系=ていねい、なのかな?
若さはもう売りじゃなく、精神性、的な?
大概は普通のおばちゃんになるところを、ていねいに暮らして品良くいい感じ!だから、モテ系なのかもですね。
歳とってギラギラしてるのいいっていう男の人案外少なそうだし。
年を重ねていくとコンサバはベリー系、カジュアルはていねい系に行くのが永遠モテの秘訣なのかな。
一時期すごくもてはやされた美魔女は自分と向き合ってる感じがしますもんね。異性の目より同性を気にしているというか。
肩の力がうまく抜けてるかがカギ。実は抜いてないけど!抜けてるように見せる。
※奥川さんが昔自分が仕事をした雑誌を持ってきてくれました
奥川さんが見せてくてた雑誌、ファッション雑誌なのに「同棲時代」って特集してるんですね。この時代って思うとなんか違和感。
そうそう、この頃ってなんかエッチな情報って2色刷りのページで結構やってたんですよ。
それが人気でananがSEX特集とかやるの。
そうだっけ?俺ananが最初だと思ってたよ。
インターネット黎明期はエロの情報は全部雑誌だったから、さらっと2色刷りのページにエッチな情報がたくさん載ってるの。それでみんなエロを学ぶの。
なんかファッション誌を装った女の子向けのエッチ情報誌でエルティーンとかありましたね!
そうそう、そういうやつ!
ほら、92年のキューティでもSEX特集ありますよ。93年も。
そうか、そういうのから派生してananがSEX特集やるようになったのなら納得だ。
高校生の頃、誰かがエルティーン買ってました! 散々回し読みされた状態でうちに置かれてて。溜まり場だったから。親にバレたら困るから夜中に公園のゴミ箱へ捨てに行きましたよ。
そういうのを子供が拾って読むんだね。
今思えば、子供の頃の定番的思い出作りのネタを提供した感じですね。
メンズだとSEX特集やったのはホットドッグだよ!
アイビーファッションの雑誌だったのに年に一回だけやってたんだよね。
俺の記憶だと35年位前かな〜。あれ?そうすると俺生まれてないなあ。
90年代のSEX特集はエイズが流行ってその注意喚起がきっかけかも。映画の「KIDS」の公開も95年だし。
そうそう!エロっていってもファッション誌でちゃんとエッチなことを学ぼう、っていう傾向だったよ。